息子の視野障害がわかるまで(1)

経過・検査

息子の視覚の問題について、わかってきたことを、まとめます。

これまでの経緯

視野障害がわかるまで、下記の通り紆余曲折ありました。

  • 2年生
    3学期から不登校

    急に「学校に行きたくない」と言い出したので、すぐ休ませる

  • wisc-Ⅳ検査で図の認識ができないことが判明
  • 1文字の全体が見えていなかった

    自宅で勉強を教える中で、初めて気づく
    ➡️ 息子の特殊な見え方について

  • 眼科の検査では異常なし

    ※視野検査はなかった

  • 3年生
    視覚発達支援センターで視覚認知検査

    問題なし。
    「見えてはいる。注目の仕方の違い」との見解
    ➡️ 検査結果はこちら

  • 検査続きで息子が疲弊

    自分の好きなこともできなくなったので、外部へ情報を求めることはやめることに

  • 1年半以上 医療的な進展なし

    ひたすら息子の大好きな自然観察に徹した

  • 4年生
    生活するなかで、「息子は視野が狭いのでは?」と思うようになる
  • 近所の眼科で視野検査をし、ようやく視野狭窄状態が判明

    ※視野検査は、こちらから強くお願いをして実施してもらいました。
    視野検査をしたときのこと

  • 大学病院の眼科で詳細な検査。

    原因不明のため、書類は書けないと言われてしまう
    大学病院での診察

お医者様のコメント

小児科の先生

特別支援が必要であることは書けますが、目の見え方については眼科の先生にお願いしてください

・脳神経の先生

脳に異常がないことは書けますが、目の見え方については…(以下同)

・眼科の先生

眼科じゃないですね〜。
小児科か心療内科へ相談してください(心因性視覚障害だと思っている)

えーー!
どうしたらいいの!?

このように、堂々巡りの状態でした。
せめて眼科の先生が、視野狭窄の状態であることだけでも書類を書いてくださったら、全然違ったのに…。

中枢性統合の弱さ

息子が真っ先に疑われるのは、視覚障害ではなく「中枢性統合の弱さ」というものです。

中枢性統合の弱さとは

  • 細部にこだわり、部分の意味が全体の意味につながらず、大局的に判断することが難しい特性。
  • 情報を統合して「全体の意味」を求める傾向が弱いこと。

自閉症スペクトラム障害(ASD)に見られることがある特性だそうです。

こちらの画像を見て、皆さんは何が見えるでしょうか。

出典・画像:The Sydney Morning Herald

この図は、300個のドットが動いて、色が黒から白に変化するだけのものです。
でも、その動き方から「透明な筒」のようなものが見えてきませんか?

これは、「全体の構造を把握している」から、「筒」を感じ取れるわけです。

中枢性統合が弱いと、細部(ドットの1つ1つ)に注目してしまうため、点が動いているようにしか見えず、全体(筒)の把握が難しくなります。

息子にはこの筒が、全く見えません。(言葉で説明しても、認識できません)

一方、自閉症(ASD)の検査も受けましたが、自閉症とも言えないという結果でした。

※(追記)後ほどわかったことですが、ASDの方も「全体を見るように」と指示があると、きちんと全体(筒)を把握することはできるそうです。

認知の違いなのか?視覚障害なのか?

細部が非常によく見える息子の見え方は、「中枢性統合の弱い」見え方と似ているため

「見えない」わけではなく「認知の仕方の違い」

だと思われていました。

私も「視野が狭いと言っても、周りはぼんやりとは見えているのでは?」 と想像していたし

視覚認知の検査の先生は「見えている」という見解でした。

検査の先生
検査の先生

「見えない」という大げさな表現になっているだけで、見えていると思いますよ 

きっとこんなふうに
見えているんじゃないかな?
【想像図】
▼ ▼ ▼ ▼

通常の見え方
一部しか認識しにくいが、周りもぼんやり見えているのではないか?

誤ってそう思ってしまったのは、息子がまるで目が見えているかのように、動くことができるからでした。

今まで見えてなかったんだ…

息子は一体どんな見え方なのか?
病院でも分からなかったため、生活の中で、事細かに確認するしか方法がありませんでした。

あれはどう見える?
あれは?これは?

え!ぼくには見えないよ??

息子の視覚に問題があることは分かっていましたが、ここまで違うということは、いちいち確認しないと、なかなか気付けないことでした。

例えば

  • 道を一人で歩いたり、階段の上り下りする時、道が見えないので、非常に怖い想いをしていた
  • すぐ目の前の看板に気づいていなかった。説明しても文字があることすら、認識できなかった
  • 2点に定規を当てて直線を結ぶことができない(不器用なのではなく、1点しか見えていなかった)
  • 問題文のすぐ横にある図や絵に全く気付いていなかった
  • 問題文など、どこから読めばいいのか、判断が大変だった(ページのレイアウトがわからない)
  • お菓子やおにぎりの包装を(開け方は知っているが)全体が見えないため、毎回どのように開けたらいいか分からなくなる

などなど…

息子は「正常に見えている」状態を一度も体験したことがないので、「自分だけ見え方が違う」ことに気付きようがありませんでした。

本当に認知の違いなのか

私が一番気になっていたのは、息子が「道が見えないから、一人で歩くのが怖い。」と言うことでした。

ASD傾向があったり、中枢性統合が弱い人は、一人で道を歩くのが怖いんだろうか…?

ずっと疑問でモヤモヤしていましたが
「2点に定規を当てられない」様子を見て、

これは明らかにおかしい。
本当に見えていないんじゃないか?

それで眼科の先生に視野検査をお願いし
ようやく視野狭窄状態が判明

…という流れでした。

ただ、この視野狭窄状態は「中枢性統合の弱さ」からくるものなのか…?🤔

分かるお医者様が近くにはいなくて、疑問は解消されないままでした。

(続きます)

プロフィール


幼い頃から華々しいエピソードがあるわけでもなく、全体がすごい高IQなわけでもない。それでも「ちょっぴり」突出したものがある、そんな息子の日常を書いています。
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