息子はどのように世界を認識しているのか(1)視覚編

感覚過敏・視野障害


視野障害のある息子ですが、検査をことごとくクリアしてしまい、お医者様も気づけない状況でした。

息子は一体どのように世界を認識しているのか。
本人の話や、一緒に生活する中で感じていることをまとめてみました。

景色の認識

息子は非常に狭い範囲しか見ないため、見える部分をパズルのピースのように組み立て、全体をイメージするという作業を行っているそうです。

下記は、あくまでも「私がイメージする息子の見え方」です

パーツを脳内で高速で組み立てる

・見える範囲でスキャンする
 *息子の場合、パーツはもっと細かいです
 *実際の目の動きは、不規則のようです

・各パーツを記憶

・記憶したパーツを組み合わせて全体をイメージ

頭の中のカメラで撮る

・1つの景色が完成したら、「頭の中のカメラ」で撮る(パーツのセットができる)

・「頭の中の引き出し」に、写真を格納
 ただし、この写真を想起する場合も、「パーツ」で認識しているように思います。

「頭の中のカメラ」「頭の中の引き出し」は、息子から時々出てくる言葉です

スキャニング

見える範囲から少しずつ情報を取り込んでいく認識方法を、スキャニングと言うそうです。息子はこの能力が異常に高いと感じます。

自分で工夫してできるようになったんだ

文字・図の認識

景色と同様、文字や図もスキャニングによって認識しているそうです。

文字の認識

息子の説明を図にしてみました。

・スキャニングし、各パーツを脳内で高速で組み立てる

・角や交差などの細部は、特に印象に残りやすい

※視覚検査なども同じ要領でクリアしていました

小さいものほど認識しやすい

文字・図は小さいサイズだと認識しやすくなります。

こんな見え方でも逐次読みにはならず、スラスラ読んでいましたが、本人は何とか読んでいる状態でした。

長文の場合は、興味のある内容でないと、気力が持たず読むことができません。

音読は大変!

「声に出す作業」と「パーツの組み立て作業」を同時に行うため、音読は大変。
黙読の方が理解しやすいそうです。

同時の作業は大変!

表やグラフ、図の行列推理は難しい

複雑な情報の推論は、難しくなります。
WISC-Ⅳ検査では、知覚推理(視覚情報の理解)の数値が100以下でした。

* 下記は私が作成した行列推理の例です(答えはB)

●や▲の認識も難しいし、A・Bなどの文字を読むことも大変
見るのがやっとなので、全体を把握して考える「推論」は難しい

小2の時点では簡単な行列推理問題も解答できませんでしたが、
小5の時点では上記問題は(大変ですが)解答できるようにはなっています。

スキャニング能力が向上しているのかな?

少しは慣れてきたのかな?

ゲームでスキャニング能力が向上?

受講しているチャレンジタッチにシンプルなゲームがあります。息子は面白がって何回もトライし、自然とスキャニング力が上がった気がしています。

シンプルなゲームは息子も楽しめます

絵を描くのは楽しい

自分の作品も一部しか見えませんが、文字と違って決まりがなく「自由」なので、とても楽しいそうです。

絵は頭の中のイメージを、紙に「描き写す」作業だよ

細かいパーツを組み合わせるようにして、端っこからジワジワ描いています。描き方の通りの見え方なんだろうと思います。

小5の時に描いたヒメカモメ
文字や図を書き写すことはできる

文字や図を書き写すのは大変な作業ですが、パーツの記憶力の良さでカバーして書いていたようです。

小1の時の文字

常にスキャニングしている

スキャニングしながらの生活は、非常に疲れると思うのですが、息子にはそれが当たり前で、疲労感がよくわからなかったようです。

しかし、息子が初めて杖を使った時、こんなことがありました。

杖を持って初めて気づいた感覚

息子は道を歩くとき、歩道の白線やガードレールなどを視覚的に頼りにして、真っすぐ歩いているそうです。

周りから見ていても、全く違和感なく、普通に歩けています。

しかし、杖を持ったら、少しずつ斜めに進んでいくではないですか!😮

どうしたの!?大丈夫?

杖があると安心できるから、頭が楽だ~

もしかして、パーツの組み立て作業をしてないの?

うん。杖があれば、頭がスリープ状態でも大丈夫そう

~頭が楽だなぁ~

それが普通の状態なんだよ~!

えー!!

私はこの時初めて、息子が日常的にスキャニング作業をしていることを知りました。
(この時はまだ、「スキャニング」という言葉も知らなかった…)

毎日どれだけ大変か想像つかない💦

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 息子の「特殊な見え方」については、こちら


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ありがとうございます♪

プロフィール


幼い頃から華々しいエピソードがあるわけでもなく、全体がすごい高IQなわけでもない。それでも「ちょっぴり」突出したものがある、そんな息子の日常を書いています。
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