視野障害のある息子ですが、検査をことごとくクリアしてしまい、お医者様も気づけない状況でした。
息子は一体どのように世界を認識しているのか。
本人の話や、一緒に生活する中で感じていることをまとめてみました。
景色の認識
息子は非常に狭い範囲しか見ないため、見える部分をパズルのピースのように組み立て、全体をイメージするという作業を行っているそうです。
下記は、あくまでも「私がイメージする息子の見え方」です
パーツを脳内で高速で組み立てる
・見える範囲でスキャンする
*息子の場合、パーツはもっと細かいです
*実際の目の動きは、不規則のようです
・各パーツを記憶
・記憶したパーツを組み合わせて全体をイメージ
頭の中のカメラで撮る
・1つの景色が完成したら、「頭の中のカメラ」で撮る(パーツのセットができる)
・「頭の中の引き出し」に、写真を格納
ただし、この写真を想起する場合も、「パーツ」で認識しているように思います。
「頭の中のカメラ」「頭の中の引き出し」は、息子から時々出てくる言葉です
見える範囲から少しずつ情報を取り込んでいく認識方法を、スキャニングと言うそうです。息子はこの能力が異常に高いと感じます。
自分で工夫してできるようになったんだ
文字・図の認識
景色と同様、文字や図もスキャニングによって認識しているそうです。
文字の認識
息子の説明を図にしてみました。
・スキャニングし、各パーツを脳内で高速で組み立てる
・角や交差などの細部は、特に印象に残りやすい
※視覚検査なども同じ要領でクリアしていました
文字・図は小さいサイズだと認識しやすくなります。
こんな見え方でも逐次読みにはならず、スラスラ読んでいましたが、本人は何とか読んでいる状態でした。
長文の場合は、興味のある内容でないと、気力が持たず読むことができません。
音読は大変!
「声に出す作業」と「パーツの組み立て作業」を同時に行うため、音読は大変。
黙読の方が理解しやすいそうです。
表やグラフ、図の行列推理は難しい
複雑な情報の推論は、難しくなります。
WISC-Ⅳ検査では、知覚推理(視覚情報の理解)の数値が100以下でした。
* 下記は私が作成した行列推理の例です(答えはB)
●や▲の認識も難しいし、A・Bなどの文字を読むことも大変
見るのがやっとなので、全体を把握して考える「推論」は難しい
小2の時点では簡単な行列推理問題も解答できませんでしたが、
小5の時点では上記問題は(大変ですが)解答できるようにはなっています。
スキャニング能力が向上しているのかな?
少しは慣れてきたのかな?
受講しているチャレンジタッチにシンプルなゲームがあります。息子は面白がって何回もトライし、自然とスキャニング力が上がった気がしています。
絵を描くのは楽しい
自分の作品も一部しか見えませんが、文字と違って決まりがなく「自由」なので、とても楽しいそうです。
絵は頭の中のイメージを、紙に「描き写す」作業だよ
細かいパーツを組み合わせるようにして、端っこからジワジワ描いています。描き方の通りの見え方なんだろうと思います。
文字や図を書き写すのは大変な作業ですが、パーツの記憶力の良さでカバーして書いていたようです。
常にスキャニングしている
スキャニングしながらの生活は、非常に疲れると思うのですが、息子にはそれが当たり前で、疲労感がよくわからなかったようです。
しかし、息子が初めて杖を使った時、こんなことがありました。
杖を持って初めて気づいた感覚
息子は道を歩くとき、歩道の白線やガードレールなどを視覚的に頼りにして、真っすぐ歩いているそうです。
周りから見ていても、全く違和感なく、普通に歩けています。
しかし、杖を持ったら、少しずつ斜めに進んでいくではないですか!😮
どうしたの!?大丈夫?
杖があると安心できるから、頭が楽だ~
もしかして、パーツの組み立て作業をしてないの?
うん。杖があれば、頭がスリープ状態でも大丈夫そう
あぁ~頭が楽だなぁ~
それが普通の状態なんだよ~!
えー!!
私はこの時初めて、息子が日常的にスキャニング作業をしていることを知りました。
(この時はまだ、「スキャニング」という言葉も知らなかった…)
毎日どれだけ大変か想像つかない💦
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息子の「特殊な見え方」については、こちら
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ありがとうございます♪
プロフィール
幼い頃から華々しいエピソードがあるわけでもなく、全体がすごい高IQなわけでもない。それでも「ちょっぴり」突出したものがある、そんな息子の日常を書いています。
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